先輩が自殺の名所で実際に体験したことです
投稿者:メゾン・ド・地獄 (3)
もう少し時間が経つと、数人どころか10数人の人の姿が見えました。
この深夜に、この山道でです。
目をこらすと、その人たちはなんと白装束をまとっていました。
その姿は、この世のものとは思えないほど不気味だったそうです。
自分たちの反対方向に歩いていくのを、車の4人は一言も漏らさずジッと見ていました。
白装束にロウソクを灯し、ゾロゾロと歩いていく集団の異様さは言葉では言い表せません。
そのとき、友達が空き缶をフロアマットに落としたのですが、音が少し響きました。
その瞬間、白装束の集団が一斉にこちらの方を向きました。
そのときの光景を、先輩は忘れることができなかったそうです。
目があったとき、彼らの目は血走ってるように見えました。
そして、こちらに向かって歩いてくるように見えました。
一同「うわーーーーーっっ!!」
先輩がエンジンキーを勢いよくかけると、エンジンが運良くかかり猛スピードで車が動き出しました。
そのまま、全速力で下り道を走り公道を目指しました。
バックミラーを見ると、何人かの白装束が走ってきてるのを確認しましたが、車には勝てません。
なんとか公道に出て、一目散にコンビニに向かいました。
その後、4人は解散して家路につきました。
それから現在に至るまで、4人の人生に支障はなく平穏に暮らしています。
ここまで語ってくれた先輩は、憑き物がおちたような表情をしていました。
僕「すこく怖かったです。」
先輩「だろ?作り話じゃねえからな。」
僕「それにしても、その人たちはいったい何者なんでしょうかね?」
先輩「さあ、でも今考えると、誰かをひきずっていたような気がするな。」
僕「え?」
彼らが引きずっていたものはなんなのでしょうか?
もしかして、人なのでしょうか?
そして、この話のこわいところがひとつあります。
それは、じっさいに遭遇したのはオバケや幽霊でもなく人間だったことです。
本当にこの世で一番怖いのは、人間なのかもしれません。
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