それで山の奥に祠があるらしい。
その真下辺りに石を積むんだ。
石は何でもいい。数は多い方がいい。
なるべく村人全員の顔を思い浮かべて積むんだ。
「これは誰々さんの分、これは誰々さんの分」ってな。
形も大きさも指定はない。珍しい石じゃなくてもいい。
「なんだ、そんなことか」って正直思ったね。
散々脅かしたわりには大したことないじゃんって。
そんな儀式よりも、おかしくなった村の連中の方が怖かったからさ。
頑張って早く終わらせてやろうって意気込んでたんだ。
「何があっても、石引様の御前で粗相だけはしてくれるな。言葉を発さず、必ずひとりで行くように」
粗相がわからない俺に、じいちゃんは猿のお面を渡してくれた。
俺はそれをつけながら、懐中電灯片手に儀式に行くことにしたんだよ。
何があっても騒がないことだけ心に決めて。
夜の山の中って、本当に真っ暗なんだ。
マジ、闇。何も見えない。
何が怖いって、見える部分よりも見えない部分の方が多いんだよ。
懐中電灯が照らす部分しか見えないんだ。
昔の人が妖怪を信じてたってのも、割とバカにできないくらい怖かった。
都会生まれ都会育ちの俺にとっては結構キツかったね。
ましてや小6。いまのほうが臆病になっちまったかも知れん。
早く帰りたい一心と、また別な理由で山ん中を進むことができたんだ。
俺、思ったんだよ。
石引様って悪い神様じゃないだろって。
昔から人間のためには優しい神様で、Aさんに怒ったのもAさんが悪いからだって。
だから正直、ちょっとわくわくしてたって言うのもあったんだ。
どれくらい歩いたんだろうな。
道中で石とかを拾いながら、独り言とかも一切なしで歩き続けたんだ。
そしたら、あったんだよ。
小学校とかによくある、あの箱あるだろ。
なんか細長い棒が伸びてて、その上に家みたいなのが乗っかってる奴。
百葉箱って言うんだっけか?
あれみたいなのがぽつんと突っ立ってた。






















とても読み応えありました
面白い話しでした
洒落怖全盛期を思い出しました
どうしても昔のうひゃうひゃうひゃを思い出すな
これって1さん憑かれてない?
1です。たぶん大丈夫ですよw
山形の人は気が強いのか。そうかもな。
長いけどよかった
ねぇ1さん 寝言 録音してみよ
ちょっと古臭い
これって、石引様に何かされてるだろ。
> モテないわけじゃないんだぜ?
結構夜の町でひっかけたりするんだけど、
…夜は夜でポン引き様に魅入られちゃったんですね、わかります
他所から遊びに来てる子供に儀式を任せるとか正気か
よくそんなノリで長い間伝統を維持してこれたな
儀式をやったのその時が初めてなんじゃねえのって思っちゃうくらいの杜撰さ
騒ぎを持ち出した少年に責任とらせるっていうのが田舎らしい。
だぜ?
Aさんの様子が統合失調症の症状や薬のストレス性チックに合致するけど医療に繋げてくれる人はいなかったのかな
この手の話を聞く度に思う。誰かを犠牲にしないと存続出来ないような村ならいっそ滅べ、と。生き残る奴が、犠牲になった人より価値があると思えない。鏖殺でええよ。
村落 カミサマに纏わる話は、総じて救いがないというか、恐ろしい話が多い。
言い伝えられている名前とは違う、別の名前をもっていたりする。
儀式や決め事を守らなかった者たちの顛末とか、この手の話には、よくある展開だったけど、ラストでゾクリとした。あぁ、取り憑かれているねって。
時代は変わり、もう集落なんて過去の遺物になるんだろうけれど、話自体は、こういう形で残っていくんだろうな。
面白いですよ。うひゃひゃ。
杉ちゃんかな?
寝言でうひゃうひゃ言われてちゃ醒めるわなw
これ家にばっかいるなって外に出した爺ちゃんが一番の元凶じゃね?
ま~たこんなパターンの創作話、と読み始めたが。
なんだか何カ所ものディテールがリアルっぽい。まぁ、上手いのでしょう。ほんわりと怖い余韻もしっかり残すし。
寝言でうひゃうひゃ笑ってるんだろうな
村の迷信に惑わされて医療機関に繋げてもらえないAさんが気の毒すぎる。これはヒトコワでは?もちろん怖いのは村人の方で。
最後が蛇足に感じてしまうが面白かった!
ぶったたいた母が怖い
すべての禁忌犯してるくせに普通に無事なのが草
くっそつまらねぇ駄作だな
おー
儀式の矢面に無理やり立たせた村人も、一切孫を守ろうとしなかった祖父も叩いた母親も全員クズだな
禁忌の代償として皆死ねばよかったのにw