東北の山村で崇められる石引様
投稿者:雅 (2)
Aさんは目玉がぎょろぎょろしてて、舌を突き出して、ただただ空見て笑ってた。
「ゲラゲラ」って言うよりも、「うひゃうひゃ」なんだよ。
口から空気が擦れて出る感じ。
それから1分くらい経ったかな。結構すぐだった。
Aさんが走ってどっか行っちゃったんだよ。
走り方も奇妙でさ、北○鮮の軍隊みたいに手と足の振りが大きいんだ。
それも不気味で。
しばらく呆けてた俺だけど、なんとかじいちゃん家に帰ったんだと思う。
思うっていうのは、正直、家に着いてからのことを覚えてないんだよ。
お袋から「こんなんだったよ」って後から聞かされたんだ。
ちょうどばあちゃんが夕飯作り出したくらいだったらしい。
「俺ちゃんの様子が尋常じゃない!」って、大騒ぎになったんだよ。
相当ひどい顔してたんだと。
いまはある程度理解できてるけど、あのときはどのホラー映画よりも怖かったんだ。
元気だけが取り柄な俺が青ざめて帰ってきたら、そりゃ驚くわな。
じいちゃんとかお袋たちも集まってきて、「何があった!?」とか、「どうかしたか!?」とか、一斉に聞くんだよ。
そのときの俺は「あぁ……」とか、「Aさん……」とか、ぼそぼそ呟くだけだったらしい。
俺の意識が戻ったのは、次の日の昼頃だった。
じいちゃんが寝っ転がりながら将棋のテレビ見てたっけ。
「何があったんだ?」っていうから、見たことをそのまま話した。
そしたら、
「ばあさん、ばあさん!」って、いきなり騒ぐんだよ。
訳分かんねぇって思って訊いてみたら、じいちゃんが言ったんだ。
「おめぇ、そりゃあイシビキ様だよ」って。
イシビキ様。漢字だと「石引様」って書くらしい。
聞いたことないと思うんだが、マジモンの神様らしいんだ。
都会育ちの親父は知らなかったみたいだしな。
じいちゃんの村では昔から信仰されてたらしく、毎年8月にあるお祭りも石引様のためのもんだったらしい。
お祭りって言っても小さい奴だよ。正直町内会の集まりレベル。
お菓子がもらえるから、俺は結構好きだったんだけどさ。
とても読み応えありました
面白い話しでした
洒落怖全盛期を思い出しました
どうしても昔のうひゃうひゃうひゃを思い出すな
これって1さん憑かれてない?
1です。たぶん大丈夫ですよw
山形の人は気が強いのか。そうかもな。
長いけどよかった
ねぇ1さん 寝言 録音してみよ
ちょっと古臭い
これって、石引様に何かされてるだろ。
> モテないわけじゃないんだぜ?
結構夜の町でひっかけたりするんだけど、
…夜は夜でポン引き様に魅入られちゃったんですね、わかります
他所から遊びに来てる子供に儀式を任せるとか正気か
よくそんなノリで長い間伝統を維持してこれたな
儀式をやったのその時が初めてなんじゃねえのって思っちゃうくらいの杜撰さ
騒ぎを持ち出した少年に責任とらせるっていうのが田舎らしい。
だぜ?
Aさんの様子が統合失調症の症状や薬のストレス性チックに合致するけど医療に繋げてくれる人はいなかったのかな
この手の話を聞く度に思う。誰かを犠牲にしないと存続出来ないような村ならいっそ滅べ、と。生き残る奴が、犠牲になった人より価値があると思えない。鏖殺でええよ。
村落 カミサマに纏わる話は、総じて救いがないというか、恐ろしい話が多い。
言い伝えられている名前とは違う、別の名前をもっていたりする。
儀式や決め事を守らなかった者たちの顛末とか、この手の話には、よくある展開だったけど、ラストでゾクリとした。あぁ、取り憑かれているねって。
時代は変わり、もう集落なんて過去の遺物になるんだろうけれど、話自体は、こういう形で残っていくんだろうな。
面白いですよ。うひゃひゃ。
杉ちゃんかな?
寝言でうひゃうひゃ言われてちゃ醒めるわなw
これ家にばっかいるなって外に出した爺ちゃんが一番の元凶じゃね?
ま~たこんなパターンの創作話、と読み始めたが。
なんだか何カ所ものディテールがリアルっぽい。まぁ、上手いのでしょう。ほんわりと怖い余韻もしっかり残すし。
寝言でうひゃうひゃ笑ってるんだろうな
村の迷信に惑わされて医療機関に繋げてもらえないAさんが気の毒すぎる。これはヒトコワでは?もちろん怖いのは村人の方で。
最後が蛇足に感じてしまうが面白かった!
ぶったたいた母が怖い