黒いマントの男は誰ですか?
投稿者:トルマリン (5)
私が中学3年生の時、家のリフォームのため約3ヶ月間、仮住まいに引っ越した時のお話です。
学校から近いところに家族4人で引っ越しました。
2LDKでリビングの隣に6畳ほどの和室がありました。
私は受験生ということもあり、夜リビングで勉強したら、そのまま和室でお布団を敷き寝ていました。
両親と妹はフローリングの部屋でお布団を敷き詰め3人で寝ていました。
ある日、期末テストが近い事もあって、いつもより遅くまで勉強をしていたんです。
リビングのテレビは音を小さくして、画面だけが付いてるような状態にして、廊下の電気は消し和室の電気も消していました。
テレビの方を向くと、和室が背中にある事になります。
風が強かったのか和室の窓がカタカタと揺れたのですが、リビングの窓は揺れていませんでした。
風の通り道だったのかなとあまり気にしていませんでした。
時間も遅かったので、勉強を切り上げ和室にお布団を敷き眠りにつこうとした時です。
また和室の窓がカタカタと揺れました。
少し怖くなり、リビングの電気を付けたまま眠りについたんです。
翌朝、母の声で起きたのですが、体がだるくて中々起きられませんでした。
風邪でも引いたのかなと母に言うと、受験生だからって遅くまで起きてると体に良くないから早めに寝なさい。と。
そんな忠告も聞かず、私は遅くまで勉強をしていました。
テストの前日、今日はさすがに早く寝ようとお布団に入ったのですが、中々眠れなかったのです。
きっとテストの前日で緊張しているのだと思い、目をつぶり半ば強引に眠りにつきました。
どれくらい眠りについていたのかはわからないのですが、金縛りにあったんです。
手足が動かなく、目も開けられません。
息も苦しく何かが上に乗っているような感覚になったんです。
するとまた、和室の窓がカタカタと揺れ始めました。
いつもより長く、いつもより大きな音で。
私は怖くなり、早くこの金縛りを解かなくてはと必死に目を開けようとしたのですが、全く体が言うことを聞きません。
声も出せず、苦しんでいるとようやく薄っすら目を開けられたのです。
すると、私の寝ているお布団の横に黒いマントを着た、天井に頭の付きそうな大男が包丁を持って立っていたんです。
私はパニックになり、出ない声で「お母さん!」と叫びました。
フッと体が軽くなり、息もでき手足も動かせたのです。
目を開けて起き上がるとそこには誰もいませんでした。
とても怖くなり、枕と掛け布団を持って、家族が寝ている部屋へ駆け込みました。
死神だよ