迷子の子猫ちゃん
投稿者:ぴ (414)
昔、不思議な体験をしたことがあります。私は一度公園で子猫を拾ったことがありました。子供はときに残酷。私は拾った子猫としばらく玄関で遊んでいたのですが、母が仕事から帰ってきてカンカンに怒られました。「戻してきなさい」と言われて、私は公園に戻しに行きました。段ボールに入れて子猫とバイバイしたけど、子猫は「にゃーにゃー」と鳴きながら段ボールから出て、私について来ようとしました。私はまた母に怒られるのが嫌で、子猫を段ボールに戻して蓋をして、急いで走って家に帰ったのです。
それからしばらくしてでしょうか。私は一週間に渡り不思議な体験をしたのです。それは私が童謡の「いぬのおまわりさん」を歌っているときでした。私がいつものように「迷子の迷子の子猫ちゃん」と歌い出すと耳元で「ニャー」と掠れて小さな猫の鳴き声が聞こえたのです。最初は驚いたけど、歌うたびにそれが聞こえるので、母に「猫が鳴いている」と言いました。最初母は「はいはい」と流していたけど、あまりに私がそれをいうので、だんだん気味悪そうな目で私を見るようになりました。
歌うたびに「猫の声がする」と私が言うのを母はすごく怖がって嫌がりました。で、私に「その歌を歌わないで」と言うのです。大人になって考えると確かに怖いですよね。私が母だったら同じように怖がったり不気味に思ったと思います。
一週間くらい猫の鳴き声が聞こえる日が続きました。母はどうやらお払いに行く用意もしたらしいです。けれど丁度一週間後くらいにこの鳴き声はピタッと聞こえなくなりました。後から聞いた話ですが、私が公園に子猫を戻しに行ったその数日後に交通事故があり、この子猫の命は何者かに奪われてしまったらしいのです。
今考えたら母が怖がっていた理由はそれだったのですね。確かにそんなことがあって、娘が「猫の鳴き声がする」と言ったら怖いに決まっています。私は迷子だった子猫ちゃんは一週間後に旅立ったのかなとプラスに考えています。あの日拾ってしまったのに飼えなかったことに罪悪感を感じつつ、自分勝手かもしれないけど、子猫が生まれ変わって幸せになっていることを祈ります。
猫嫌いなお母さんだったのかな?