患者と看護師の間にある本物の信頼関係
投稿者:モモ (9)
私が緩和ケア病棟で看護師として働いていた時の話です。
この病棟では、癌などの病気の末期で、もう積極的な治療をせずに穏やかな最期を迎えることを決めた方が入院されます。つまり、患者さんの最期を看取ることが主な仕事となります。
そしてこれはとても不思議な話なのですが、看取りに立ち会う看護師というのは、何故か割と固定しているのです。
『今日の夜勤は◯◯さんだから、看取りが多いわね』勤務表を見ながら、看護師の間ではこんな会話をされることがよくありました。
そうなのです。患者さんは自分の最期を看取って欲しいと思う看護師を選んで、旅立たれることが多くあったのです。
人間の死期なんて自分で選べるようなことではないと思われるのですが、実際にはこのような不思議なことがよく起こりました。
この看護師なら、最期の苦痛を少しでも減らして旅立たせてくれる、、、自分が旅立った後も、きちんと処置をしてくれる、、、家族のケアも適切に行ってくれる、、、そんな思いが患者さんの中にあったのかもしれません。
これはまさに患者さんと看護師の間にある、本物の信頼関係なのだと思います。
仕事であるとはいえ、人の最期を看取るというのはとても辛いことです。身体的にはもちろんのこと精神的な負担もとても大きくて、心が付いていかなくなることがよくありました。
そんな時には、私は患者さんに選んでもらって看取りをしているんだ。
これは本当の意味で信頼されているということなのだ、と自分に言い聞かせて、緩和ケアでの仕事を頑張っていました。
看護師の仕事の中では、このような信じられないような不思議な体験はよくあるものです。
素晴らしい‼️