なぁ、○んだらどうなると思う？

小学生の時、同級生にY君がいた。
普段はおとなしくて、いい子なのだが突然スイッチが入ると、

「なぁ、○んだらどうなると思う？」

と周りのみんなに聞いて回る行動をとり、よく保健室に連れていかれていた。
初めのうちは、
「天国にいくんだよ。」
「生まれ変わるんだよ。」
などと答えてましたが、徐々に相手にしなくなり最後の方は、
「知らねーよ。」
「あっちいって。」

と誰も相手にしていませんでした。

中学生になり、クラスが変わりましたが、別の教室から、

「なぁ、○んだらどうなると思う？」

と周りに聞いている声たまに聞こえてきました。
程なくして、いつものように保健室に連れて行かれました。

小学校が同じ生徒なら、誰もが同じ疑問を持っていることがありました。
それは、あの子が保健室に連れていかれてから、しばらくすると大人しくなり教室に戻ってくることです。
「保健室行くと治るのか？」
「保健室の先生に何か言われてるかな？」
「あの問いに対しての回答を聞いて納得してるのか？」

など、憶測はさまざまありましたが真相は誰にもわかりません…
保健室の先生に聞いても、
「個人のことだから、何も教えれないよ。」と言われるだけでした。
それは中学生になっても同じでした。

中学を卒業後のことはわかりません。
進学したのか、就職したのか、自宅にいたのか。

20歳になり、成人式で中学の友人達と久々の再会をしました。
その時、
「そういえば、Yいないな。」と何気なく言うと、
「なんだ、知らないのか。あいつ、亡くなったんだぞ。詳しくはわからないけど。」
と友人が言ってきました。
「えっ、そうなのか…」と言い、少し寂しい気持ちになりました。