お盆の海での怖い話
投稿者:モモ (9)
私が小学校3年生夏の出来事です。
夏のちょうどお盆の時期に家族で海水浴に行きました。お盆の海はクラゲが出たりして危ないので、沖には行かず、砂浜近くの浅瀬で遊ぶ予定でした。
ちなみに私も父も泳ぎは得意ではありません。なので普段からプールや海で遊ぶ時には、いつも水泳の得意な母と2人で泳ぐのがお決まりでした。
その日も父に「俺は砂浜のパラソルの下で待ってるからさ」と言われたので、母と2人で海へ行きました。私が浮き輪の中に入り、母が足の着く所で浮き輪を引っ張って泳いでくれて、とても楽しかったのを覚えています。
ですが、しばらく2人で海で遊んでいるとある事に気付きます。「なんか、お父さんの見える砂浜遠くない?」最初浅瀬で遊んでいたはずが、どんどん砂浜が遠くなり沖に向かって流されているように感じました。
母も同じ事を思っていたらしく「このままだと沖に流されそうだから泳いで戻ろうね。」と私の入っている浮き輪を引っ張り、砂浜に向かって泳ぎ始めます。
ですが、一向に父の見える砂浜に近づきません。どんどん沖に流されていきます。
水泳が得意な母も流石に焦ってきたらしく、さっきまで笑顔だった顔がこわばり、どんどん顔色も青ざめてきていきます。
まだ幼かった私ですが、母の様子が明らかにおかしい事に気付きました。「どうしたんだろう‥」そう思って母を見ると、必死に私の浮き輪にしがみついて震えていました。
だんだん不安になってきた時、少し離れた所を泳いでいたサーファーのお兄さんが、私達に向かって「大丈夫ですか?」と声をかけてくれ、泳いでこちらまできてくれました。
母が「だんだん沖に流されてしまって‥」と言うと、そのお兄さんは自分のサーフボードを母に渡し、「一緒に戻りましょう!」と言いながら、サーフボードと私の入ってる浮き輪を引っ張って、砂浜まで連れて行ってくれました。お兄さんが私を抱き上げて砂浜に座らせてくれた後、母も砂浜にたどり着きました。砂浜で待っていた父も駆け寄ってきて、母と私と一緒にサーファーのお兄さんには何度も何度もお礼を言いました。
お兄さんは「お盆のこの海は危ないので、本当に気をつけて。」と言っていましたが、私には何のことかこの時はよくわかりませんでした。
ですが数年後、あの頃より成長した私は、なんとなく母にあの日の出来事を聞いてみる事にしたんです。「あの時どうして沖まで流されちゃったんだろうね?」と聞いた私に母は‥
「あんたが怖がったら可哀想だと思って、あの時何も言わなかったんだけど‥‥、実は誰かにずっと足を掴まれていて、沖まで引っ張られていたのよね‥。」と言いました。
私たちの近くに泳いでる人は居ませんでしたし、かなり沖だったので下に誰か潜っていたとも考えられません。
お盆の海は霊がいると聞いたことがありましたが、こんな体験をするとは思いませんでした。それ以来、お盆の時期に海水浴をしたことは一度もありません。
夏のお盆の海はあるあるな話なので泳いではいけません。
クラゲも浅瀬に来るしお盆の海はガチで泳がない方がいい
連休だから家によっては行くきっかけにはなっちゃうんだけどね