病院の霊安室そばの当直室の話
投稿者:モモ (9)
私が看護師としてとある救急病院の外来当直をしていた時のことです。
これはよくある体験のひとつのエピソードですが、こっそりと告白してしまいます。
何故かここの病院の看護師仮眠室は、霊安室のすぐ隣だったのです。
夜間救急外来勤務をしていたので、たまに救急搬送されてきた患者さんで、残念ながらお亡くなりになられた場合には私も霊安室を使っていたのです。
だからその鉄の扉の中がどのような空間かは知っています。
そういう理由から、この仮眠室を忌避し利用しない看護師も数名いたのも事実。
ある日、救急対応で疲れ切って私はその仮眠室に入りました。
眠くて眠くてベッドに潜り込み、同時に深い眠りに・・・・
これは夢の中か?
狭い仮眠室の外廊下を人が行ったり来たりしているようです。
時間は真夜中3時はとうに過ぎています。
人が通ることはまずありません。
「ちょっと怖いかな・・・・」と感じたのですが、そのドアを開ける勇気もなく、激務の疲れからか体も動かす気にもなれず。強い眠気が勝ってまた浅い眠りの中へ・・・・・
私の横たわっている仮眠室の簡易ベッドの淵に寄り添うように誰かが腰かけている。
男性?女性?わからない。
「苦しい。苦しい。助けて。助けて。」
必死に声を絞り出しているようにその「人」が私に語り掛けています。
その「人」は本当に「人」なのか?もう私の中で答えは出ていました。
ごめんなさい。
今までの私の経験からアナタとは会話をしてはいけないと知っています。
そして怖がってもいけないというのも経験から知っています。
その「人」が簡易ベッドから離れていったのかを知るその前に、私はまた深い眠りの中へ落ちていきました。
少なからず人が亡くなってしまう病院ではこのような話がたくさん存在します。
夜勤で寝たら起きられへんでしょ?
その節はすみませんでした。