だから俺たちは海釣りをやめた
投稿者:イエティ (51)
長編
2021/10/07
13:53
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そこから夜になり釣れなくなったため、切り上げようとした。その時だった。
チリーン、チリーンと、何やら綺麗な風鈴のような音色が聞こえてきた。
綺麗な音色とはいえ、不気味だ。
全員ヘッドライトを点けようとしたが、点かない。
懐中電灯も、スマホも、うんともすんとも言わない。
それどころか、波の音も聞こえない。
「なにこれ?」
震えた声でTが言う。
俺もKも、何も答えられない。
今この状況がなんなのか、何が起きているのか、何もわからないのだから。
辺りは真っ暗。
漁港でもない磯だから街灯なんてもんはない。
遠くに見える漁港の明かりと、山道を照らす街灯しか見えない。
眼下では波が行ったり来たりしているはずなのに、完全に”無音”。
自らの心臓の音まで聞こえそうな静けさ。
「うわっ!!!!!」
Kが急に大きな声をあげた。
「どうした!!」
「大丈夫か!!!!」
数秒間の沈黙ののち。
「びっくりした?」
Kのにやけ声が聞こえてきた。
「なんだよもう~」
びびりはしたが、場を和ませてくれたKに感謝。
波の音が聞こえない。ライトも点かない。足場も悪い。
どうやってこの状況を打破すればいいのか、俺らには何の策もなかった。
霊的なものなのか?
俺らが同時に頭おかしくなったのか?
自分で言うのもあれだが、俺らは決して馬鹿ではない。
いややってることはいつも馬鹿なんだが、知能指数的に馬鹿ではない。
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女の姿が想像できてしまって怖い
読みやすくておもしろかった!
クラクションが効くんだ。
アオリイカ食べたくなってきた
釣り行くの怖くなる
憑かれてるって…コト!?
最後の瞬間が姿はないけどいわずと恐怖を感じる
懲りない面々。どうせまた行くでしょ。
とりあえず大音量で音楽かけとこうぜ
海にまつわる怪談を見たかったから見たけど、
めっちゃ怖かった。
大きな音を出さなかったらどうなってたんだろ。。。
あれ?これガッツリ憑いてきとるやん
あかんくね?