トイレの便器が動く不思議な喫茶店
投稿者:陶芸参謀 (37)
私が高校一年生の時の夏休みの話です。
暇を持て余した私は、地元の友人たちを集めて、東京から千葉の九十九里浜まで自転車行こうと誘いました。
ボロボロのママチャリでの旅だったので、到着までは半日以上かかってしまいます。
早朝5時に出発し、途中で友人の何名かは心が折れて電車で帰ろうと提案したりしてきました。
それでも強引につれていき、なんとか日が暮れ始めた頃になってやっと九十九里浜に到着。
しかし砂浜で歩くも、夕暮れ時で遊ぶ間もありません。
一瞬だけ海に足を入れてすぐに帰ることになりました。
数十分後にはもう辺りは真っ暗になり、疲れ切った私達は無言で国道を走らせていました。
気がつくと夜の21時過ぎ。
ホテルに泊まるお金などないので、国道沿いにあったミニストップのイートインで寝ようということになりました。
そのミニストップの隣に照明の暗い喫茶店が鎮座していました。
お金は千円くらいなら持っていたので、喫茶店で夕ご飯を食べようと入店しました。
店内はかなり薄暗く、なぜこんなに暗くしているのか不思議でなりませんした。
500円のピラフを食べ終えソファでくつろいでいると、トイレに行って戻ってきたM君が血相を変えて狼狽えながら「○○(私)、ちょっ…ちょっとトイレに来てくれ!」と懇願するのです。
どうしたの?と聞くと、「トイレの便器が動いている」とかワケのわからないことを言っていました。
二人でトイレに行くと、中は更に真っ暗で、照明がチリチリと明滅していました。
M君があのトイレがやばい…と指を指したので、私はそのトイレ(和式の便座)の正面に立って様子を見ました。
不気味だなあ…と思いながら見続けていると、ゴトゴトゴト…と音が鳴りだし、突然便器がガタガタガタ!!!!!と揺れ始めたのです。
照明はカチカチと切れたり明るくなったりを繰り返し、轟音が轟きました。
ぎゃああ!!!!と叫び、私とM君はトイレから逃げ出しました。
待っていた二人の友人を引き連れ、この店やばいから早く出よう!とすぐに会計を済まし、店のドアを開けようとした瞬間です。
若いカップルがすれ違いに入店してきて、その彼女の方が突然青ざめ、「この店…なんか気持ちわるい…無理……!」と引き返してしまったのです。
もしかしたらこの女性は霊感があったのかもしれません。
僕たちが経験したあのトイレは一体何だったのか。今でもよく分かっていません。
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