有名な心霊スポットのトンネル

私がまだ小さい頃から知っていた有名な心霊スポットと呼ばれている場所があります。それはトンネル。
祖母の家に行くにはそのトンネルを通らなくては行けないので何度も通っていますが昼間は何も起きないというのが噂されていました。

高校生くらいになると少し年上の彼氏や友達などから「肝試ししない？」と誘われることがありましたが、私は一度も参加しませんでした。
トンネル自体が薄暗くて、車のヘッドライトをつけても暗いくらい不気味なトンネルでいつも水で濡れているんです。歩行者が歩ける隙間もないんです。
そこにいると言われている幽霊は、昔トンネル内を歩いていたら交通事故にあってお婆さんの下半身と上半身がバラバラになり、ひき逃げ事故だったので恨みをもっていて上半身だけで車を追いかけてくるという怖い話です。
夏になると、肝試しと言っては車のライトを点けずにトンネル内を走るという遊びが流行っていました。
ある人は、車に血のようなものがついたとか、手形がついていたなどと面白おかしく話しているのを聞いて不快な思いをしたのを覚えています。
そして、私の友人がそのトンネルを歩いて行かないといけない時があったんです。すると、彼女が見たものはお婆さんの姿ではなく兵隊さんのような恰好をした男の人だったと言うのです。
トンネルの手前には、電話ボックスが一つだけ設置されていたのですが暗闇の中で唯一の灯りでもあります。トンネルから出て来た彼女は、電話ボックスにいる兵隊さんの姿を見た時に意識を失ったそうです。
幸い家族が車で通りかかり何事もありませんでしたが、その数か月後電話ボックスが撤去されていたのは何か意味があるのかもしれません。