短編
2021/06/29
01:35
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「母さんは?」
と俺が聞くと、
「な…何か、近くの友達に会いに行くと言って途中で別れた。」
こんな所に友達が?とは思ったが、父が言うならきっとそうなのだろう。
父は俺には嘘なんか言ったことがないから間違いない。
二人で車で帰る途中、
「流れていかないように草の影にしっかり引っかけたのに…。思ったより流れが速かったな…。」
独り言とも会話とも言えないような、そんなことを父が言っていたのを今でもよく覚えている。
その日、母が緑のワンピースを着ていた事も。
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