毛糸の帽子をかぶったおじいさんが袋に入れて、
「はい、八百円です…」と告げた。
彼はお年玉袋を開けてお札を取り出したのだが…
顔から血の気が引いた。
それはお札ではなく葉っぱだった……
彼は目の前が真っ暗になった…
家族にイタズラされたようだと誤魔化し、お金を持ってまた来ますとなんとか店を出ようとした…
すると、店の対面にお年玉をくれたおばあさんが当然のように立っていた。
そのオモチャ屋は八百屋みたいに表から丸見えなので、一部始終を見ていたらしいおばあさんは薄ら笑いを浮かべていた。
彼は目をそらして逃げるように歩いた。
走らなかったのはせめてものプライドだった。
だが、しばらく歩いてジュースの自動販売機がある場所に来ると、急に悲しくなってベンチに座りぐったりと頭を抱えて落ち込んだ。
しばらく、足元の一点を見て放心していたら、
キャハハハハハァー!!!!
おばあさんが高笑いをして彼を見ていた。
最初の品がある印象とはかけ離れたキチ○○じみた笑い方だった。
本当にウケている…
老人がこんな風に爆笑するのは見たことなかったから異様に恐ろしくなった。
彼は全身がゾワッと総毛立った…
彼が初対面の人間に警戒心を抱き、なかなか心を開かない理由はこの体験からきているようだった。
その後、そのおばあさんを見掛けることは一切なかったらしい。
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