ある日友達がおかしくなった。
おかしいといっても、頻繁に周囲の人間を観察?するようになったのだ。
「最近どうしたんだよ。そんなにキョロキョロしてさ。」
俺は隣を歩く友達のMに聞いた。
するとMは周囲に向けていた視線を俺に向け言った。
「探してんだよ。」
くぐもった声でMは言った。
どういうことだ?
言葉の意味が理解できないまま俺は尋ねた。
「探すって何を?何か物でも無くした?」
Mは首を横に振り、ボソボソと語り出した。
「見たんだよ。張り紙。」
「張り紙?」
「探してますってやつ。」
「人を探してるってこと?」
Mが言うにはバイトの帰り、もう辺りは薄暗くなり空が青とオレンジの境目のような色になっている時間。
いつも前を横切る掲示板に、見慣れない張り紙を見つけたのだそう。
張り紙には、『探しています。』と上の方に手書きでデカデカと書かれておりその下には、どこにでもいそうな制服を着た女性の写真。
『1ヶ月から行方が分からなくなりました。
情報の提供、お待ちしております。
電話番号080-???-000』
と書いてあったそう。
今どき珍しいなと思いつつ、正直なぜMがこんなに必死になってその人物を探しているのか分からなかった。
「そんなのMが探す必要なくね?お金でももらえるとか?笑」
俺は変わらず周囲を気にするMに、冗談めかして言った。
するとMは、刺すような目つきでこちらを振り向き語り出した。
「なんか、あの写真の人知ってる気がするんだよ。だから、、探さなきゃ。待ってるんだよ。俺の事。」
知っている?張り紙の人物を?
Mの言っている意味も分からないが、それ以上に大きく開かれた目が今にも零れ落ちそうで、なんとも奇妙だった。
どう見てもMの精神状態は正常ではない。























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