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心霊

川辺に咲くさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

チューハイおじさん
長編 2026/10/05 21:55 136view

どちらも譲りませんでした。
時刻は深夜12時過ぎ。
それでも翌日は二人とも休みだったので、妙な好奇心のほうが勝ってしまい、
「じゃあ、まだいるかもしれないから、今から見に行ってみる?」
と私が提案すると、彼も少し笑って、
「行ってみようか。ついでにコンビニでアイス買いたい」
と同意しました。
深夜の住宅街は、心なしか普段よりも暗く感じ、私たちは少し早歩きで例の公園に向かいました。
やがて、道の突き当たりに、照明の消えた公園が見えてきたので、私は目を細めながら、
「どう?私、コンタクト外しちゃってあんまり見えないんだけど」
と聞くと、彼が、
「……いる。誰か座ってる」

私も目をいっそう細めると、確かに、ベンチにぼんやりと人影のようなものが見えました。
「ほら」
私は少し安心して、
「やっぱり別の人だったんだよ」
と言いました。

「チューハイおじさん、事件があったことを知らずに座ってるんじゃない?」
すると彼は、
「うん……そう、だ……ね……」
と、妙に歯切れ悪く答えた直後、急に足を止めました。
「……」
ほんの2、3秒。
彼はその場に立ったまま、何も言わずにベンチのほうを見つめていました。

私には、何が起きているのかわかりませんでした。
そして突然、彼が息を呑むと、
「……ダメだ」
小さく呟やき、
「戻ろう!」
鋭い声でそう言って、私の手を強く引きました。
「え? どうして?」
私は思わず公園を振り返りながら聞きました。
「コンビニは?」
「振り返らないで!」
彼の声は、今まで聞いたことがないほど切羽詰まっていました。
「いいから、早く!」
それ以上、何も聞けませんでした。
彼に手を引かれるまま、私たちは来た道をほとんど走るようにして帰りました。

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