「話を聞かせてくれて、有難うございました。でも何で、そんなにハッキリ出れたんですかね?」
「うーん、院長先生が自己流のマジナイに凝ってて、病院を建てる時に水晶や呪符を埋めてたから、それが幽霊に作用したのかもね」
「そうでしたか、ところで彼らは今も成仏してないんでしょうか?」
「さあ、分からないわ、病院跡地はもう無くなってるし。
でも2人の声は聞こえる、という噂もあるから、30年以上経った今でも、何か建てたら、また現れるんじゃない?
由美子ちゃんの両親は、病院が取り壊されるのを見守った後に、どこかに引っ越しちゃった。
私もその後30才で結婚して、再び東京に出て、それからはあまり帰らなくなったから、2人の話は聞かないわね。
ねぇ、貴方は心霊スポットによく行くんでしょ、ならば2人の幽霊も見てみたいよね?」
「ええ、取り憑かれたりしない限りは、見たいですね。
でももう出ないんでしょ?」
「それがね、数年後にはまた出ると思うのよ。
その頃には、幽霊は3人に増えてると思うけど」
「え? どういう意味ですか?」
「その前にまずね、私って健康そうに見えるだろうけど、実は不治の病に罹ってて、もう長くないのよ。
やり残したこと……というか、やっておきたいことがあるから、どうせ仮面夫婦で子供もいないし、離婚して故郷に帰ることにしたの」
「そんな……裕子さん、お金があるんだから、治療して長生きして下さいよ!」
「そんなの良いのよ、無理に長生きするより、気になったことを実践しようと思ってね!
既にもう、病院跡地を買い取って、着工したところよ。
2人の幽霊は、どうなると思う?
私は何となく、また会えると思うの。
そして遠くない未来、私が死んだら2人の所に行こうと思うのよ」
「……何でそんなこと、するんですか?」
「何となく面白そうじゃない?
竣工したら、住所を送るから来てね。
……私ね、自分に凄く自信があって芸能界に入ったの。
でもそこには、もっと凄い人たちがいてね、力の限界を感じて、一流になれないなら、努力の意味もないと思って辞めたのよ。
苦労は私に似合わないからね。
子供の頃から、何もしなくてもチヤホヤされるのが普通で、ずっとそうでありたかった。
だから私の中身も、途中で止まってたのね。
長内先生や由美子ちゃんのこと、いえないのよ。
私たち3人、似た者同士だから、死後は同じところに行くのが妥当だと思うの。
それに、やっぱり死んでいなくなるのは嫌だから、この世に残れる場所があるなら、そこにいたいの。
私が幽霊になったら、うんと綺麗な姿で現れるから、楽しみにしててね!」

























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