「かめ、かめ、かめ」
声も近づいて。
「かめ、かめ、かめ、かめ」
僕は完全に動けなくなりました。
何かが後ろからこちらへ向かってきている。
それだけは分かります。
でも、目隠しを外すのが怖い。
もし振り返った先に何かいたら。
そんなことを考えている間にも、
ドタドタドタドタドタッ。
「かめ、かめ、かめ、かめ、かめ」
すぐ後ろ。
もう、すぐそこ。
「かめかめかめかめかめかめかめかめ――」
僕は叫ぶように息を吸いながら、無我夢中で目隠しを外しました。
その瞬間。
音が消えました。
本当に、一瞬で。
目の前には、部屋の角に座り込んでいるいとこがいました。
顔を真っ青にして、僕を見上げています。
泣いてはいませんでした。
ただ、目を大きく見開いていました。
僕は何が起きたのか分からず、
「大丈夫?」
と聞きました。
けれど、いとこは何も答えませんでした。
ただ僕の顔を見ていました。
その目が妙に怯えていたのを覚えています。
僕もその部屋にいたくありませんでした。
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