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心霊

死堂鄭和(シドウテイワさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

猫の鳴き声
短編 2026/09/04 09:46 90view

これは男子高校生の鈴木君、田中君、佐藤君が体験した話

夏休みも半分が過ぎた8月の初旬、鈴木君の家でダラダラと過ごしていた3人の中で誰ともなく「なんか面白い事ねえかなー」なんて言ったので、鈴木君が肝試しに行こうと言い出した。
ここから自転車で1時間ほどのところにある山の中に廃墟があるのだが、一年上の先輩がここに行って怖い体験をした話を一個上の先輩から聞いたのを思い出したのだ。
時刻はまだお昼を少し過ぎたくらいなので、今から行っても夕飯前には帰ってこれそうだったので3人は早速それぞれの自転車に乗ってその廃墟を目指した。

3人が山のふもとに着いたのは午後2時を過ぎたあたりだった。
ふもとに自転車を停め、山道を歩き途中から脇道に逸れて廃墟を目指す3人。
「ここって石川先輩が来た事あるみたいで話聞いたけど、脇道に入ってから20分くらいのとこに廃墟があるらしいよ」と鈴木君が話していた。
そんなこんなでワイワイと話ながら山道を歩き始めた3人の耳に何かの音が聞こえてきた

ニャーオ…ニャーオ…

どうやら猫の鳴き声のようだ
「お?猫の鳴き声だ!近くにいるのかな?」と佐藤君が周りを見渡すが猫の姿は見えなかった

「野良猫が住み着いてんだろ?早く行こうぜ」と田中君が2人を急かす。
山道を10分ほど歩くと視界の先にその廃墟は姿を現した。
だが、正面は川が流れているため迂回しなければ廃墟にはたどり着けないようだった。
3人は辺りを見渡すと、200mほど下流のところにある古びた小さな橋を見つけたので橋に向かって歩き出した。

橋をへ行く途中も「ニャーオ…ニャーオ…ナーオ…ナーオ…」と猫の鳴き声が聞こえてきた
さっきよりも鳴き声ははっきり聞こえるので近くにいるようだ。
ザッ…ザッ… 枝や木の葉を踏みつけて山道を歩いていたのだが、鈴木君が佐藤君の様子がおかしいことに気付いた
橋を渡ったあたりから、ほとんど喋らなくなっていたのだ
佐藤君は3人の中でも特に陽気な性格でいつでもケラケラ笑っているようの子なのだが、今は暗い顔して俯き震えている。
「佐藤どうした?気分悪いのか?」と鈴木君が声をかける
「なんだよお前ビビってんの?」と田中君も声をかける

すると、佐藤君が震えながら2人に話しかけた
「なぁ、さっきから聞こえる鳴き声、あれ…猫…だよな?」と
「え?ああ、そういやさっきからしてるな」と鈴木君が言うと田中君もウンウンと頷いた

だが次の瞬間、2人は何か違和感に気が付いたようで
「あれ?え?これ…猫か?」と言った
鳴き声に耳を傾けると…佐藤君が震えている理由がわかってしまった

ニャーオ…ニャーオ…ニャーオ…オニャア…オギャア…オンギャア!オンギャア!オンギャア!オンギャア!

それ、猫の鳴き声ではなく…人間の赤ちゃんの鳴き声なんです
もう日も落ちかけている時間に誰も来るはずのない山道で赤ん坊の鳴き声がする。
みるみるうちに3人から血の気が失せていった。
しかも、その鳴き声は廃墟の方向から聞こえていて
こちらに近づいていた

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