売場へ向かおうとしたところで、先輩に止められた。
「待って」
「え?」
「呼び鈴、鳴った?」
「……いや」
「じゃあ、行かなくていい」
その直後、
チリン。
レジの呼び鈴が鳴った。
僕と先輩は顔を見合わせた。
「ほら」
先輩が言った。
「呼ばれたら行く。それだけ」
僕はレジへ向かった。
そこにはお客さんが立っていた。
何事もなかった。
このときは、何も疑問に思わなかった。
⸻⸻
何度か出勤するうち、僕も夜勤に慣れてきた。
ある日から、一人で夜勤を任されるようになった。
深夜のコンビニにも慣れた。
2時から3時はバックヤード。
3時になればトラックが来る。
それから品出し。
単純な仕事の繰り返しだった。
そして、何日目かの夜。
午前2時54分。
僕は一人でバックヤードにいた。
そのとき、
「すみませーん」
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