もし、あれに見つかったら終わる。
そんな気がした。
僕は隙間から身体を引きずるようにして、
後ろ向きに這った。
「……すみませーん」
声はまだ続いている。
僕は必死に這った。
ようやく上半身がバックヤードの隅まで辿り着いた。
右を向く。
壁の時計を見る。
2時59分。
あと1分を切っている。
残り30秒ほど。
そのときだった。
「すみません」
確実に、
耳元から聞こえた。
左耳。
すぐ隣。
僕は時計の方へ首を向けたまま、目を閉じた。
怖くて振り向けない。
心の中で時間を数えた。
まだいる。
すぐそこにいる気配がする。
目を開けられない。
やがて、
遠くからエンジン音が聞こえた。
トラックだ。
数分後。
バックヤードの扉が開いた。
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