新築マンションの怪現象
投稿者:38度 (3)
私が中学生の頃の体験談です。
今まで住んでいた住宅が立ち退きになり新しい新築マンションに引っ越すことになりました。
マンションに住むようになってから数カ月後、隣のおじさんが幻覚が見えるようになり近所の人に暴言を吐くようになってマンションを引っ越していきました。
私はおじさんも年だから新居に引越したストレスでそうなったのだろうと思っていましたが、それから住人の変死が続いたり、住人同士でもここは変な事がよく起こると噂になっていました。
そしてとうとう私自身にも変な現象が起こったのです。
夜中に飼ってる猫と一緒に寝ていたのですが急に猫が起き出して部屋のドアを見つめて威嚇をしたのです。私はその時、閉めたはずの部屋のドアが勝手に開いていた事に気付きました。
平静を努めて猫の視線を見ていたのですが猫の視線は明らかになにかを追っていました。
ドアから少しずつ移動する視線…
私の寝ているベッドの周辺まで猫の視線が移動していったとき
「猫が見ているなにかは私の所に来ている」と思って慄然としました。
なおも猫の視線は移動していきついに私の背後へ…
怖くなった私は部屋の電気をつけてテレビをつけました。
部屋は明るくなり嫌な雰囲気は消えました。
後にその土地に詳しいおじさんにこの話をすると、このマンションが建つ昭和頃は遊郭があり、たくさんの遊女が病気で亡くなった歴史があると教えてくれました。
もしかしたらこのマンションには様々な無念な思いを抱えて亡くなった遊女達の魂が彷徨ってるのかもなと思っていると、なおもおじさんは言葉を続けました。
「しかしこのマンションの部屋は独房みたいだ、俺がムショにいた頃を思い出す」と言いました。
私は己の耳を疑いましたが幽霊よりも怖いのは人間なのかもしれないなと子供ながらに悟りました。
現在もそのマンションに住んでおりますが怪現象は起きなくなりました。また、そのおじさんとは今でも仲良しです。
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