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特別投稿

礎吽亭雁鵜さんによる特別投稿にまつわる怖い話の投稿です

一家同時自殺
長編 2026/08/14 11:31 54view

昨今のテレビニュースを見ていると不倫やら痴情のもつれからの事件が連日放送されている。
そういうニュースを見ると必ず思い出すことがある。
あれは俺がまだ刑事課に所属していたころの事件だ。

ある夏の日、110番に通報があった。「近隣の家から酷い悪臭がする、もしかしたらまたかもしれない・・・」とのことがあった。
「また」という表現は奇妙に思えるかもしれないが当時報告を受けた俺は「また」の一単語でピンと来た、「あの家だ」と。

その家は管轄内でも有名な変死の多い家だ。
変死というと多くの人は異常な死体や探偵小説に出てくるような凄惨な現場をイメージするかもしれないが実態は異なる。
警察が死体を取り扱うときそれらは「犯罪死体、変死体、その他の死体」の3つに分類される。
犯罪死体はその名の通り犯罪が原因であることが明らかな死体だ。
一方で変死体は犯罪が原因である可能性がある死体のことを指す。

その他の死体は犯罪と関係のないことが明らかな場合だ。例えば病院で病死や老衰死したケースがこれにあたる。

統計によると1年間の死者数の約12%を警察が取り扱い、さらにそれらの内の10%未満が変死として扱われている。
なので日本で死んだ者が変死体として取り扱われる割合は1%程度しかないレアケースであるはずなのだ。
なのにこの家では変死体が過去何度も出ている。
俺の着任後だけでも
・老夫婦の凍死(暖房器具の使用を我慢しすぎたせいと判断)
・幼児の風呂場での溺死と夫婦の後追い自殺
・男性の階段からの転落死(最上段からなぜか後ろ向きに転落していることがわかっている)
の3件があり、上司曰く少なくとも遡れば2件あるらしい。
事故や自殺などはどこでも起きうるものだ。だがそれがあまりにも起きすぎている。

俺はそれが無性に気に食わないのだ。

さてその家に着くと確かに腐乱臭がする。
家人とは連絡がつかないため鍵を工具で破壊する。鍵が壊れた際に小さく「ギィ」と家鳴りがした。
家に入ると中には腐乱した3体の仏さんがあった。
それぞれが自室と思われる部屋で首を吊っている状態で見つかった。
また自筆の遺書があり争った形跡もないためこの時点では自殺であることに疑いはないように思えた。
そのため俺たちは一家心中の線で調査したが調べる内に不可解ではあるが心中ではないことがわかってきた。

【死体について】
まず、3体の死体の身元はこの家の主人K、奥さんA美、居候中の主人の実弟Tの3人であることがわかった。
死亡日は3人ともおおむね同時期と判断されたが腐乱が進んでいたため正確な日時までは特定できなかった。
他は通常の自殺のケースと大きな違いはなかったが、後述する通り遺書の内容と検死結果に乖離がある点があった。

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