どうやら私はあの日あの駅のホームへと降りる階段を降りていたところ、急いで降りようとしたサラリーマンに押されて転落してしまったらしい。
打ちどころが悪かったのか意識をなくしてしまったためにそのまま緊急搬送されたとのこと。
その後脳の検査や記憶や言語などの試験をされたが大きな問題はないとのことで安心した。
その翌日には警察が二人組で来た。
故意ではない事故ではあるが色々確認する必要があるとのことで小一時間ほど話を聞かれたんだが奇妙なところがあったんだよ。
「あなたが転落したのが19時5分ごろで改札を通ったのは17時15分でした。改札を通った後は2時間弱どこにいらしたんですか?」
「お恥ずかしながらベンチに座って居眠りをしてしまっておりました」
「あー、やはり頭を打ってるから記憶に混濁があるようですね」
「どういうことです?」
「あの駅の改札階には椅子のようなものはないですよ。また改札を通った後そのままホームに降りていくのが階段入り口の監視カメラに映っていました。
ですがホーム側出口のカメラに階段を降りて出て来るあなたは映っていませんでした。」
「ということは?」
「はい、2時間弱あなたは階段内にいたことになります。」
「そんなわけないじゃないですか。」
「いえ、非常に不自然なのですが監視カメラを調べる限りそう結論するしかないのです。何か覚えていませんか?」
「・・・いえ、ちょっと今は思い出せないです。」
「そうですか、あまり無理せずお大事になさってください。」
もちろん頭を打って意識を無くしているので私の記憶が飛んでしまってるのは仕方ないんだが2時間弱も私は階段で何をしていたんだろうな。
そして私が夢と思っていたものは本当に全部夢だったんだろうか?
もしかしたら一部は現実だったんじゃないか?なんてことを考えては不安になるんだ。
だから今はどうにも階段には近づけないんだ。次は本当に戻って来れなくなるような気がして。

























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