そう言ってヨウコさんは家を出た。
そして帰ってこなかった。
それが最後だった。
「今でも思うんだよ」
「俺があんな喧嘩しなかったら」
「俺が側にいたら」
「助けられたんじゃないかって」
先輩さんの声は震えていた。
山下さんは何も言えなかったという。
「だから謝りたいんだ」
その一言がやけに重く聞こえたそうだ。
「もう一回だけ話したい」
「恐山のイタコとか」
「霊能力者とか」
「そういう人を探してるんだけどさ」
そして山下さんを見た。
「どう思う?」
真剣な目だった。
冗談ではない。
本気で悩んでいる目だった。
山下さんは正直に答えた。
オカルトは好きだ。
怪談も好きだ。
だが、死者を呼び出して会話する類の話は信用していない。
全部が嘘とは言わない。
ただ、嘘も多いと思う。
そう伝えた。
先輩さんは小さく頷いた。
「そうかぁ……」
明らかに落胆した表情だった。
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