だが、それも「怖いから選んだ」のではなく、「話しやすそうだから選んだ」だけのものだった。
結果は散々だった。
「えーと……」
「それで……」
そんな言葉ばかりが増える。
焦れば焦るほど話は飛び、オチまで辿り着けなくなる。
しかし、友人たちは優しかった。
話を補足してくれたり、場を繋いでくれたりした。
だが、その優しさが逆に痛かった。
怪談会は盛り上がった。
けれど清水さんだけが、その輪の外に取り残されたような気分だったという。
帰りの車の中で彼は密かに決意した。
来年こそは。
来年こそは、ちゃんとした怪談を持っていこう。
そして迎えた三年目の夏。
リベンジに燃える清水さんは、キャンプの予定が決まるより早くA君に聞いた。
「今年もやるんだよな?」
「もちろん」
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