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②『もう少ししか話せないのに』
これまた、祖母の実家のお隣りさんが戦後に本当に体験した話だ。
その隣人さんは子どものないまま妻に逃げられ、その後は独身のまま実母さんと実家で二人暮らしをしていたらしい。
そのバツイチ息子はよく働くが、決して行いが良いとは言えず、頻繁にお母さんと喧嘩をしていた。
祖母の実家の辺りも広い庭を持ったお家が多かったが、それでも気性の激しい息子とその母親との激しい諍いはご近所に丸聞こえだった。
しかし、そんな負けん気のお母さんも寄る年波には勝てず、病に侵されやがて永遠の眠りを迎えられた。
老母さんが身罷られてから半年後、くだんの乱暴な息子さんは、夕暮れ時の帰宅時に【まさかと思うもの】を目撃したーー亡くなった自分の母親が生前のように、リビングの椅子に座ったまま俯いていたのだ!
この時、息子さんはパチンコの帰りで酒まで飲んで、ますます気が荒くなっていた。
もし、亡くなった家族の幽霊に遭ったら、おそらく誰もがたまげるか、恐怖を感じるか、再会できた感動のあまりその霊に近寄って話しかけるかだと思う。
ところが、この息子さんはお母さんの霊を鋭い目で睨みつけ、
「まだ迷ってけつかるのか!」
と、怒鳴りつけた。さらに、霊相手とはいえ強烈な蹴りまでお見舞いしたのだ!
その後すぐにお母さんの霊はすうっと立ち消えてしまった……。
この話は、私の大伯父(祖母の兄)が、その息子さん本人から立ち話のついでに聞かされたらしい。
その豪快すぎる息子さんはそれから10年後に天寿を全うしたが、お母さんの霊は一度も彼に会いに来なかったという。























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