俺の名前は瀧本秀一。
29歳。
イベント企画会社で営業をしている。
考えてみれば、始まりは本当に些細なことだった。
朝、目を覚まして何気なくスマホを手に取る。
そこには1件の着信履歴が残っていた。
見覚えのない携帯電話の番号だった。
営業という仕事柄、知らない番号から電話がかかってくることは珍しくない。
だから番号そのものは気にならなかった。
ただ、一つだけ引っかかることがあった。
俺は仕事柄、いつ電話が来ても対応できるよう通知を切ったことがない。
マナーモードにもしていない。
着信があれば必ず気付く。
それなのに、昨夜その電話が鳴った記憶だけが、どうしても思い出せなかった。
着信時刻は午前1:42。
「寝ぼけてたのかな……」
そう呟いた。
その日の仕事は残業をしていつもより遅めの帰宅をした。
午前1時過ぎ、
寝る支度を済ませてベットに入ろうかとしたその瞬間。
スマホが震えた。
画面を見る。
昨日履歴に残っていたのと、まったく同じ電話番号だった。
少し迷った。
だが営業の癖で、知らない番号は無視できない。
俺は通話ボタンを押した。
「……もしもし。」
返事はない。
だが、通話は切れていなかった。
ザーッ……
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