しかし、不自然だった。
浩一が写っているはずの写真だけ、
顔の部分が黒く塗られている。
何枚も。
何年分も。
「なぜ隠したんですか?」
私が聞くと、由美さんは泣きながら答えた。
「隠したんじゃない。」
「忘れたかったの。」
そして一枚の写真を差し出した。
事故の直前に撮った最後の写真。
父
母
美咲
そして少し離れた場所に浩一
4人。
でも、写真の端に小さく書かれていた文字を見て、私は背筋が凍った。
「浩一が撮影。」
私は混乱しながらも勇気を出して聞いた。
「浩一さんは、どこへ行ったんですか?」
由美さんは震える手で、もう一枚の紙を出した。
それは古い新聞記事だった。
「少年、行方不明」
名前。
山田浩一。
年齢。
12歳。
記事にはこう書かれていた。
「家族旅行中、妹を助けようとして海へ入り、そのまま行方不明。」
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 3票
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。