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心霊

TKMさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

模倣
短編 2026/07/10 17:44 77view

私は廃校舎の管理をしている
田舎の市町村では少子化に伴い幾つもの学校が廃校となっているため、解体までの間管理をするのだ。
管理と言っても他の業務の合間、気分転換に外回りで外観を確認する程度だ。
ある日私に連絡が入った。
「旧A小学校の校舎内で人影を見た。」
なんでも地域住民が周辺で山仕事中に窓に人影を見たという。
滅多に持ち出すことのない旧A小学校校舎の鍵を持って、私はデスクをたった。

山沿いの細い道路を抜け、校舎前に車を止める。
過疎化の進んだ地域内でも端に位置する静かな場所に、旧A小学校はあった。

錆び付いた鍵を開け中に入る。
少し埃っぽいが数年人が入っていないにしては綺麗なほうだ。
ひとまず施錠の確認を兼ねて校内を回ってみることにする。
窓の鍵を確認しながら廊下を歩く。
ふと足元を見ると、コインのようなものが落ちていた。
拾い上げて見てみると、花のような形をしたプラスチックだ。中心には穴が空いている。
見覚えがある。

『算数セット』

小学校低学年の授業で使う知育玩具セットが思い出された。

穴には確か磁石が入っていたはずだが、学期の終りには半分は外れてどこかに言っていたことを思い出す。
色褪せきっているところを見ると、元からあった忘れ物なのかもしれない。
懐かしさを覚えながら、プラ飾りをポケットにしまった。

校舎を一通り周り終わると、やはり子供が入り込んで遊んでいるように感じた。
黒板に落書きがしてあったり、ホールに無造作に古びた縄跳びがほおってあったりと、人のいた形跡がある。
鍵はしっかりかかっていたため、どこから入り込んでいるのか…

残された痕跡には何となく違和感があった。
黒板の落書きはひらがなが書いてある訳でもなく、絵が書いてある訳でもないただの線の蛇行だった。
ホールの床には縄跳びの縄でつけたであろう擦れがあったが、それは縄跳びをしたと言うよりもやたらめったら振り回したようにあちこちに着いていた。
それともう一点。子供が外から持ち込んだゴミなどが一切落ちていなかった。
こんないい秘密基地があれば、子供はお菓子を持ち込んだり、漫画を持ってきたりしそうなものだが、お菓子のビニールひとつ落ちていなかった。

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