気味が悪い。
落書きのあった黒板の前に立つ。
意味の分からない線の蛇行。
書き手の意図が何も伝わってこない白い線。
ふと思う。痕跡からして入り込んでるのは小学校低学年程度ではないのか。
目の前の線は黒板の上端もしっかりとした筆圧で横切っている…
ゾワりと背中が泡立った。
窓の外では夕日が山に沈もうとしている。
「帰ろう…。」
気晴らしに独り言を呟きながら教室を出て、後ろ手に引き戸を閉める。
顔を上げ廊下を見る。
違和感
暗い。
夕焼けとはいえ異様に暗い。
夕日の赤さを何かの影が遮っている。
廊下沿いの窓越しに教室を見る。
『それ』は教室に広い間隔で並べられた机に着席していた。
いや、『それら』だ。
20名分もない机に、授業を受けるように
黒い、のっぺりとした塊達が座っている。
廊下側の最前列。
1番近くに座っている影がこちらを見た。
いや、見ていたのかは分からない。
『それ』には目はなかったから。
かろうじて頭と認識できる塊の上部、
口があるはずの場所に丸くくぼみが出来ていく。
何度かパクパクと蠢いたあと、さらにくぼみが深くなる。人の口を真似るように、舌がのびていく。
息を吸う音
『せ ん せ ー !!!!!』
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