公衆トイレ
投稿者:TKM (2)
山道をツーリング中、急な腹痛に襲われ山中にあった公衆トイレに駆け込んだ。
広い男女兼用の個室になっているようだ。横にはオムツを変えるスペースが設けられている。
座って用を足している時、ふと紙があるか心配になりホルダーに目を向ける。
よかった。かなり古いが十分な量のトイレットペーパーはあるようだ。
見るとホルダーの近くにボールペンで書いたような落書きが見える。
汚い相合い傘のようだ。
名前のところは掠れてあまり読めないが、辛うじて「ようこ」とだけ読み取れた。
よく見るとその他にも壁にチラホラ落書きがある。
面白半分で見やすい場所のものを見ると、
○月✕日
ようこたちが大人になった日♡
どうやら「ようこ」はここで男とちちくりあったらしい。
それをご丁寧に落書きで残している。
迷惑な話だ。
しかもまだまだ彼女の落書き日記は残されているようだ。
○月✕日
3ヶ月記念!
○月✕日
××さいこ〜
××の部分は擦れて読めない。
良くもまあこんな山奥にこまめにくるものである。
何を読まされているのかと馬鹿らしくなるが、腹の調子はどうも落ち着いてくれない。退屈なのでほかの落書きを探す。
すると隅の方に小さな文字で
できちゃった
とだけ書かれていた。
日付は書かれていないが、文字の感じからして「ようこ」の字のようである。ほかの落書きに比べ、字が弱々しく、書き手が弱っているのが透けて見えるような字だ。
嫌な想像をしてしまう。
そろそろ出よう。
腹の調子は良くは無いが、山をおりるまでは大丈夫だろう。ケツの処理を済ませ、ズボンを履きながら立ち上がる。
そのとき正面の壁が目に入る。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。