背後から迫る「何か」の気配。
冷たい風が首筋を撫でる。
バッテリーの残量はついに残り1%。
「うわあああ! もう怒った! ウチのこと舐めんな!!」
レムはヤケクソでスマホのカメラを起動。
フラッシュを「オン」に設定した。
『レム!? 何する気!?』
「これでも喰らええええ!!」
振り返りざま、インカメラで背後の化け物に向かってフラッシュを連写!
バシャバシャバシャ! と激しい閃光が、暗黒の線路を真っ白に染め上げた。
「ギャアアアアア!!」
闇に潜んでいた異形の影が、強烈な光に怯んで顔を覆う。
「今のうちに・・・・・・ダッシュ!!!」
レムは痛む足も気にせず、目の前のトンネルへ飛び込んだ。
真っ暗な闇を、ただがむしゃらに駆け抜ける。
プツッ。
ついにスマホの画面が暗くなり、チェルシーとの通話が切れた。
それと同時に、視界がぐにゃりと歪む。
「・・・・・・あれ?」
気づけば、見慣れた地元の駅のホームに突っ込んでいた。
周囲には、スマホの画面を見つめる会社員や学生たち。
「戻っ・・・・・・た?」
へたり込んだレムのスマホが、再び震える。
画面を見ると、バッテリーはなぜか 「85%」に戻っていた。
チェルシーからの着信。
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