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呪い・祟り

右園死児さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

夢 -前任者-
長編 2026/04/08 13:14 202view

高橋さんは長い沈黙の後、半ば根負けしたように話し始めた。

「彼、自殺したのよ。」
「菊池君が、アパートを出てからもなんどか連絡を取ろうとしてみたんだけど、携帯がつながらないから、最終手段としてアパートの賃貸契約時に保証人として記載のあった、お母さまの携帯にかけたの。」
「そしたら、お母さまが出て菊池君が突然帰ってきたって。その報告を聞いたときは、心底ホッとしたわ。それからも、定期的にお母さまと菊池君の様子に変わりがないか連絡を取っていたのね。」
「そしてしばらくたったある日、菊池君のお母さまから連絡があったの。菊池君が亡くなったって。自殺だったと聞いてるわ。何か悩みがったなら、アパートにいたときにもっと親身になって相談乗っていればね。。」
そういいながら、高橋さんは涙を流した。
「ちなみに自殺の理由って、」
「精神的な病だったって聞いてるわ。」

ドクン、ドクン

僕の心臓の鼓動が早くなっている。
僕も菊池君と同じ運命をたどってしまうのではないかと思うと、怖くてたまらなかった。
負けるものか、負けてたまるものか。
高橋さんは、「アパートで待っているからね」と言い残し、病室を後にした。
入れ違いで、香菜と僕の両親が戻ってきた。
高橋さんと何を話していたのか聞かれたが、嘘と冗談で会話を逸らした。
面会の終了時間も近くなり、香菜と両親は名残惜しそうに、「また明日も来るからね」と言い残しそれぞれの岐路に就いた。

夜が来た。
慣れない病院生活は、かなり疲労がたまるらしく何度も睡魔に襲われた。

ただ、眠るわけにはいかない。
時々、看護師さんが様子を見に病室に入ってきたが寝たふりで乗り切った。

2日が過ぎた。
目の下の隈が日に日にひどくなっているが、寝るよりはましだ。
日中は、香菜と両親が見舞いに来てくれているから、時間を持て余さずに済むが、面会時間が終わった17時以降は、睡魔との戦いだった。
幸いにも病室内に、シャワーがあったため眠気が限界に来たらシャワーを浴びて体を無理やり覚醒させる。
今日もベッドで横になり、眠気に限界に来たのでシャワーを浴びようと思いスマホをいじっていた。

「佐々木さ~ん、朝ですよ~」

飛び上がる僕に看護師さんはびっくりしていた。
「佐々木さん、どうしたんですか驚いた顔して笑」
「朝食持ってくるので、準備しててくださいね~」

3/4
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