ミニ由香に釘を打った方が効果ありそうだと思った。
コメントに『釘を打ち込むやつは敵だろ』ってあったんだけど、まさにその通りだよな。
それを聞いて、『そんなことないよね? 友達だよね』ってうしこさんに普通に話しかけてた。
で、急にミニ由香を持って『敵じゃないよね?』って話しかけて、うしこさんを持って『大好きだよ』って裏声でやってた。
そのまま人形劇が始まった。
たっぷり一時間以上。
正直言って、丑の刻参りよりこっちの方が怖かった。
深夜の森で成人女性が呪いの人形を使って裏声で人形劇だぞ。
最後まで見た俺もどうかしてるかもしれない。
五日目ともなると丑の刻参りも慣れた感じだった。
これまでもそうだったけど、めっちゃニコニコしてるんだよね、由香さん。
普通の丑の刻参りだと恨みありきだけど、由香さんは楽しさありきなんだよな。
ちっさい椅子を二つ用意して、うしこさんとミニ由香がカメラに映るように座らせてた。
うしこさんは毎日の釘のせいで穴だらけなのが痛々しかった。
そして、急に怖い話をするって言い出したからびっくりした。
場所を考えると何もおかしくないし、むしろ正しいんだけど。
百物語みたいに怖い話が終わったらロウソクを消すんだけど、三本しかない。
だから『三物語』って言ってた。
由香さんは海外の怖い話をするって言っておきながら、タイトルすら忘れてた。
どうやら、ブラッディマリーの話をしたかったらしい。
鏡に向かって『ブラッディマリー』って三回唱えるやつ。
視聴者に指摘されて思い出したらしく、『ブラッディマリー』を何回か口に出してた。
そしたら、初めて由香さんが怯えた声を出してた。
けど、カメラに映ってないから何に怯えているのか分からなかった。
その直後に血まみれの手が映り込んで、ミニ由香を握って引っ込んだ。
コメント確認用のタブレットが鏡の役割をして、本物を召喚したとかの憶測もあった。
でも、俺はスタッフがやったんだと思う。
そのあと、由香さんはロウソクを吹き消してた。
だから、たぶん演出だと思う。
























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