大学生の推察に根拠はなかった。
回覧板を届けに行ったあの夜、打ち上がった花火の刹那、家の裏手に捨て置かれた古ぼけたかかしを見た。
ただの失敗作だったのかもしれない。
でももし、毎年かかさずかかしを作って燃やすのが、何かのカモフラージュだったとしたら?
わざわざ竹を挿してしめ縄まで巻く理由は、我が子の供養の為だけだったのか?
老夫婦だけ”ある時から”しめ縄を使い始めたと、祖父は言っていた。
もしかしたら、その時初めて…
そこまで考えて、彼はそれ以上調べるのをやめた。全てを暴いた所で、もはや意味のない事だと思い直した。
最後に、子供の頃から仲の良かった村の駐在に調べた事の全てを伝えた。
その時は笑って聞き流されたが、その後ほどなくして旦那の家で骨を見つけたのは、その駐在だった。
旦那は、黙秘を貫いたまま翌年の春に亡くなった。
「大丈夫」の真意も、もう分からない。
村の住民たちは皆、旦那を哀れむだけだった。
最後まで、奥さんを庇おうとしたのだと。
かかしまつりは、今も続いている。
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