あとな、
毎年3月になると、人柱(ひとばしら)を捧げることになっとる」
最後の言葉を言った後、一瞬男性の顔が曇る。
「人柱?」
ゾクリとした私は尋ねた。
「ああ白人様は食欲が旺盛でのう、通りいっぺんの食べ物だけでは満足できんみたいでな、、、
困ったもんじゃ」
男性はそう言い深くため息をつくと、暗い顔で俯く。
「人柱」のことについてさらに詳しく尋ねてみたのだが、男性がそれ以上語ることはなかった。
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そしてまた退屈な日常が始まる。
出勤途上車から前方を見ると、相変わらずあの白い建物は当たり前のようにあった。
ただこれまでみたいにモヤモヤとした気分になることはなくなった。
思うに、
かつて父や母に白人様について尋ねた時、
露骨に不快な素振りをみせたのは、
やはり白人様という存在は当時の地元の人たちにとっても触れてはいけない禁忌なものだったのだろう。
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追記
ところで最近奇妙なことに気付いた。
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