運転中だけ。
毎回、後ろ姿だけ。
信号待ちの横断歩道。
深夜の交差点。
街灯の下。
⸻
ある日を境に、
運転中に見かけることはなくなった。
「もう終わった」
そう思った。
いや、
そう思いたかった。
⸻
その日の夜。
私は珍しく、歩いて帰宅していた。
仕事が早く終わったわけじゃない。
車を出す気力すら、残っていなかっただけだ。
静かな住宅街。
街灯の下。
前方から、
人影が近づいてくる。
よれよれのスーツ。
そして――
後ろ向き。
こちらに背を向けたまま、
私の方へ歩いてくる。
距離が縮まるごとに心臓の音が高まる。
10メートル
7メートル
3メートル
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