ガードレールを歪ませ、煙を上げて止まっているトラック。
(あれでは、運転手もただでは済んでいないだろう)
現実味を失っていく意識の中で、空を見上げる。
二つの大きな雲が重なり、
まるで焼きたてのパンのように見えた。
既視感。
(……この景色、どこかで見たことがある)
私は、すべてを思い出した。
アスファルトの冷たさ。
この痛み。
この空。
私は、過去に同じ状況を体験している。
(そうか、そういうことか)
その瞬間、
底が抜けたように、体が空へと落ちていった。
⸻
12月24日。
クリスマスイブだというのに、接客業の私は今日も仕事だ。
社会人になって5年目。
人が言う季節のイベントは、
いつからか店の混み具合を測るための目安でしかなくなった。
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これは既視感ではなく予知だと思う。