目を瞑って数を数え、振り向く。
あきはすぐに見つかった。
でも、ひろきはどこにもいない。
「ひろきくん、どこ行ったの?」
あきが不安そうに言う。
俺たちは公園中を探した。
でも、ひろきは見つからない。
見つけたと思った瞬間、別の場所からひょこっと出てきた。
「どこに隠れてたの?」
俺が聞くと、ひろきは少し嗤って言った。
「……見つけてよ。ちゃんと。」
その時のひろきの顔は、
まるで笑顔を模ったお面を被っているかのように温度がなかった。
目だけが、どこか遠くを見ているようで、
俺は一瞬、背中がぞわっとした。
「ぼく、隠れるの得意なんだ。ずっと練習してたから。」
あきがビクッと肩を揺らした。
気づけば夕暮れ。
空がオレンジ色に染まって、街灯がひとつだけ点いた。
「あたし、そろそろ帰らなきゃ」
あきが言う。
その瞬間、ひろきの表情から笑みが消えた。
「帰っちゃダメだよ」
ひろきはあきの腕を掴んだ。
声がさっきより低い。
「帰ったら……怒られるよ。」
あきの顔が真っ青になった。
そして、誰に言うでもなく、独り言みたいに呟いた。
「ぼく、帰れなかったから。」
その言葉を聞いた瞬間、
俺はひろきの手を払い、あきを引っ張って走り出した。
後ろを振り返ると、
ひろきは夕闇の中でじっと立っていた。
動かない。
ただ、こっちを見ていた。
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