完全に直感だったが、すぐに「母方のおばあちゃんだ」と感じた。
俺が生まれる頃には既にお迎えが来ており、写真でも映像でも祖母本人を一度も見たことはない。
ただ、母が普段見せる底抜けの無い優しさと時に見せるワイルドな力強さにとても良く似ていた。
廊下からこちらをじっと見ているような気がしたが、悪いことをされそうな雰囲気は無かった。
ほぼ目の前、手を伸ばせば触れそうな距離まで近づこうとして、また目覚める。
起きるのはこれで5回目だった。
ただ、体が動かせない。
あのザワザワが来ていた。金縛りだった。
布団で仰向けに寝ている頭上に、はっきりと人が立つ気配がしていた。
恐ろしいものが目に映りそうで、ただただ怖くて目を開けなかった。
「それ」が屈んだのか、顔を覗き込むように前傾姿勢を取ったのか、上から気配が近づいてくる。
気配が耳元まで迫り、もうダメだと思った時
「なる。なる。なる。」
早口でそう呟かれ、それもまた金縛りとともに消えていった。
体を起こし、和室を後にする。
もうあの布団からループして目覚めることは無かった。
リビングで寛ぐ母に全てを包み隠さず話した。
和室で長い不思議な夢を見たことを話し、「多分(母の)お母さんに会ったよ」と。
「どんな感じだった?」
「存在感が本当にすごくて、めちゃくちゃ頼りがいある無敵みたいな雰囲気だった。多分何しても勝てない」
クスリと微笑み、「何か言ってた?」と母。
少しドキリとしましたが、早口で「なる」を3回言われた、と。



























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。