授業にロクに顔も出さず、通っていた大学を中退したあと、実家に帰省(寄生)してからしばらく経ったゴミニートの頃の話。
一軒家の2階にある自室で寝ていたある日の夜、人生で初めて金縛りに逢った。
頭の中というか、耳元で砂嵐みたいなザワザワが響き、閉まってる部屋の外側に幼い子供の気配がする。
実際に目で存在を確認している訳ではない。
空間に生まれたノイズに近い違和感を暗視スコープで覗いているかのような、「居るぞ」っていう気配だけを確かに感じ取り存在を認知していた。
ザワザワが消えると、ほぼ同時にその子供の気配も消える。
そんな事が何回かあり、頻度も毎夜ではなく週1〜2程度だったので別に無害なら、と思い特に気にしていなかった。
というか、安全だという前提で非日常的な感覚を楽しんですらいたと思う。
ある日、また同じような金縛り。
ピシッと体が動かなくなり、ザワザワが始まる。
ただその日はいつもと違い、「閉まった扉のすぐ内側」にその子の気配を感じた。
直感的に安全とは真逆の恐怖感が心を覆う。
…今回はヤバいかもしれない。
いくらそう思ったところで、体は言うことを聞かなかった。
だが、その時は内心金縛りに感謝していた。
これもまた直感だが、「少しでも動いたと悟られたら終わる」と本能で感じたからだ。
子供はその場から近づくことも離れることもせずにその場にじっ…と居座り、時間だけが過ぎて結局何事もなく金縛りが終わり、気配も消えていった。
深夜で家中真っ暗だったが、さすがに部屋で寝るのは耐えられず、掛け布団だけ持って1階リビングのソファで夜を明かす事にした。
朝、母に事情を説明して「今日からしばらく1階で寝たい」と頼むと、ご先祖さまの神棚のある和室に布団を敷いてくれた。
ここなら何かあっても守ってくれるから安全、一番大丈夫だから、と。
その日の午後の事。
唐突な眠気に抗えず昼寝をすることに。
当時は割とよくあることで、昼食後はたびたび睡眠欲に身を任せお昼寝していた。
しばらくして起床、「おはよう」とのんきにジョークを込めた挨拶。
両親の姿は見えなかったが、2階の方から母の「おはよ〜」という声が聞こえる。
今はバルコニーで洗濯物でも干しているのかなと思い布団から出て和室から出た直後、
俺は目を覚ました。


























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