Sの言葉を俄には信じられなかった俺はその日、車で彼のマンションに行くことにする。
玄関ドアを開き嫌な予感を胸に抱きながらも靴を脱ぎ、廊下沿いにある問題の部屋のドアをノックする。
だが返事はなかった。
一抹の不安感を抱きながら、ドアを開ける。
開いた途端、視界に入ってきた光景に全身が総毛立った。
ベッドの上にはあの棺がある。
信じられないことだが既に骸となっているM代さんが半身を起こし、その細い両手をSの首に巻き付けていた。
そして彼の首筋に食らいつき、餓鬼のようにガリガリと貪っている。
Sはぐったりとなりされるがままとなっており、白いスエットや辺りはどす黒い鮮血にまみれていた。
俺は震える脚でゆっくり後退りすると廊下に出て、ドアを閉める。
それから携帯を持つと、すぐに警察に通報した。
※※※※※※※※※
M代さんは駆けつけた警察官により、射殺された。
Sはすぐに救命措置をされたが頸動脈を噛み千切られ、既に絶命していた。
その後俺は警察に事の顛末を説明したが、やはりどうしても理解されなかった。
ただ事件には関わりがないということだけは分かってもらえ、ようやく解放してもらう。
後日改めて自宅に訪ねてきた刑事は、
あの後M代さんを調べたところ肉体はかなり腐敗が進んでいて、あの時点で彼女が生きていたというのはあり得ないと頭を傾げていた。
【了】
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