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心霊

どこかで見た話さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

初夢
短編 2026/01/01 00:39 100view

激しく愛撫された場所に、
感覚がない。

ひんやりとした、だが、燃えるような舌遣いを受け入れた俺の体は
触っても、遅れて伝わる。
冷たいのか熱いのか、よくわからない。

「寝違えたかな」

そう思おうとしたが、
夢の中で聞いた音を思い出してしまった。

ジュプ、ジュプ、という粘着質な音。

・・・

ある晩、夢の中で、はっきり声を聞いた。

「……まだ、味がする」

それは底なしに甘く、縛り付けるような声だった。

次の瞬間、
舌の感触が、一段深くなった。

肌じゃない。
内側を呑み込むような。

怖くなって、夢の中で叫んだ。

「やめろ!」

すると、動きが止まった。

一瞬の沈黙のあと、
声が、少しだけ不思議そうに言った。

「え?
 だって、欲しがってると思った」

目が覚めたとき、
愛撫を受け入れていた場所が――消えていた。

消えた、というより、
最初から無かったみたいに思い出せない。

そこに何があったのか、説明できない。
でも、確実に“舌”の感覚だけが残っている。

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