必死にマッサージ機のように震える手を落ち着かせながら描き続ける、そうしてできた絵の描き残しやミスがないかの確認をし、緊張でおかしくなりそうな状態で鈴木さんに絵を渡す。
絵を渡された鈴木さんは無邪気な子供のような笑顔を見せ、
やっぱり死んだ妻の方が美しいですね!ありがとうございます!一回比べて見たかったんです!いや〜、思った通りだった!
はしゃぎながらそういった。
もうこんな空間に居たくないと感じた俺はすぐさまに金を受け取った後、逃げるようにその場を走り去った。
それで、圏外ではないところまで行くために山を降りてからスマホで交番に連絡し、先ほどの出来事を伝える。
その甲斐もあって翌日彼が逮捕されたのがニュースとして放送された。
だが、そのニュースでも彼は全く変わらずに頭のおかしいことを言っていた。
結局、俺はもう誰かのところに行って絵を描くというのはしてない。
だって、死んだ鈴木さんの奥さんを描いたときの恐怖は忘れられないんだ。
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