わざわざ店舗に足を運ばずとも、クリック一つで数日後にはお気に入りの商品を運んでくれる。
荷物を開封すると、中にはきちんと包装されたバッグが入っていた。
そして朱実がそのバッグを肩にして、姿見の前でポーズをとっている時だ。
ピンポーン
玄関の呼び鈴が鳴る。
こんな時間に誰だろう?
訝しげに思いながら玄関口に立ち、
「どちら様でしょうか?」と尋ねた。
「夜分恐れ入ります。
○○運送なのですが」
あれ?まだ頼んでたのあったかな?
それにしても10時になろうとしてるんだけど、、、
などと思いながら鍵を外し玄関ドアを開くと、目の前に一人の若い男が立っている。
着ている服から、いつもの○○運送の配達員ということが分かった。
男はいかにも申し訳なさそうな顔で「本当にすみません」と言うと、深々と頭を下げる。
「え?
どうしたんですか?」
訳の分からない朱実が尋ねると、男は顔を上げてから喋りだした。
「実は本日お客様に午後9時配達指定のお荷物なのですが、どうやら私が紛失したようで。
それで気付いてから戻ってあちこち探したのですが、見つからないんです。
ですので、、、」
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