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心霊

hntcpm123さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

赤い家の話
短編 2025/10/15 16:17 1,426view

「痛い!」

懐中電灯の光が戻った時、僕たちは床に倒れていた。

腕を見ると、爪で引っ掻かれたような傷跡が残っていた。

僕たちは慌てて家を飛び出し、夜道を全力で走って逃げた。

それ以来、僕たちは赤い家には二度と近づかなかった。

だが、あの夜の出来事は、僕たちの心に深い傷を残した。

夏休みが終わり、僕が実家を離れてしばらく経った頃、ケンジから電話がかかってきた。

「…赤い家、また行くぞ」

ケンジの声は、どこかおかしく、まるで別人のようだった。

「どうしたんだよ、ケンジ。やめよう、もうあんな場所には…」

「行かなきゃいけないんだ」

ケンジは、それだけ言うと電話を切った。

僕はいてもたってもいられず、急いで実家に戻った。

赤い家に行くと、ケンジが家の前に立っていた。

「ケンジ、どうしたんだよ、お前…」

ケンジは僕に振り返った。その顔は、血の気がなく、目が虚ろだった。

「なあ、知ってるか?あの家の壁、あれ、本当は白かったんだぜ」

ケンジはそう言って、赤い家の中へと入っていった。

僕はケンジを追いかけようとしたが、足がすくんで動けない。

その時、家の中から、子どもの歌声が聞こえてきた。

「あーかい、あーかい、おうちー」

歌声は、徐々に大きくなっていく。

「なーにで、ぬるーのー」

すると、ケンジの悲鳴が聞こえた。

「やめろ、やめてくれ!」

僕は恐怖に耐えきれず、その場から逃げ出した。

その後、ケンジがどうなったかは知らない。

集落の人たちに聞いても、誰も何も話してくれなかった。

僕は、ケンジが赤い家で何を見たのか、何に引きずり込まれていったのか、知るのが怖かった。

それから数年後、僕は結婚して子どもができた。

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