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呪い・祟り

バクシマさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

忌まわしき林間学校(裏編)
長編 2025/10/13 21:22 3,406view
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身の毛のよだつ身の危険を感じ、荷物から懐中電灯を取り出すと、私は夜の森に逃げこみました。

そして音を立てないように少しずつ駐車場の方へ進みます。決して廃墟の方へライトを向けないよう気をつけながら……

ところが

「オ イ  ミ  ロ」

「ひ!」

不意に声をかけられ、小さく悲鳴が漏れました。

ライトを向けると、彼だったモノが目から血を流して、ニタニタ笑っていました、

叫びそうになりましたが、必死に声を押し殺します。

その顔は、昼に見たときよりも元々の彼の顔に近づいているように思います。

「やあ……君か……どうしたんだい……」

私は、なんとか気持ちを奮い立たせて話を合わせました。

どうやらこの異形は自分を彼だと思い込んでいるようです。

異形は旅館に行って酒が欲しいとのたまってます。

私は絶望しながらも廃墟へと戻らざるを得なくなりました。

貴様なんぞ酒飲んでセルフ除霊されてしまえ。

……途中、キャンパー風の男の首吊り死体がありました。

心臓が止まるかと思いましたが、それでもなお異形を刺激しないよう、知らんぷりして歩を進めます。

何なんだちくしょう。

だが、あの首吊り死体の顔には見覚えが……そうか、頭が生えた直後の顔だ。

キャンパーの地縛霊が呪術に引き寄せられたというのでしょうか。

途中異形が、何か話しかけてきましたが無視しました。あとミロって誰だよちくしょう。

やがて忌まわしのクソ廃墟に到着しました。

そして教師達に悟られぬよう廃墟の中へ潜り込み、私は他の同級生達と同じように狂ったふりをするのでした。死霊の盆踊りかよちくしょう。

教師達の注目が異形に集中したのが幸いし、私が戻ってきた事に気づいた教師はいないようでした。

しばらくして担任は、再び異形を外に連れだしました。

……その後、私はもう外に出る気力もなく、林間学校の期間が終わるまでずっと狂ったふりをしていました。本当に気が狂いそうでした。

やがて地獄のような日々が終わり、教師達は生徒達をバスに連れ込みました。

帰りのバスに異形は乗っていました。

確かに見た目は、元の彼です。

ですが私はもうソレを直視することはできませんでした。

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