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心霊

義井 釉さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

夏
短編 2025/10/09 21:32 604view

これは私が高校生の頃の話です。

7月中旬、ジメジメとした空気と体にまとわりつくような暑さ。

田舎だったので、学校にはエアコンなんてなかった。

部活終わり、いつも通り自転車で下校していたら、ふと、誰かに見られているような気分になった。

自転車を止め、辺りを見回してみたが、誰もいない。

その日は特に気にせず、そのまま帰った。

その日の夜、夢を見た。林の中に廃屋が一つ。中から誰かが手招いていた。

顔はよく見えなかったが、女性だった気がする。

ただそれだけだ。しかし、あの人は誰だったのか。そんな考えが頭をよぎった。

次の日は休日だったので、友人と近所の川に釣りに行った。

しかし、魚の影がなく、釣りが得意な友人も、その日は1匹も釣れなかった。

あたりが暗くなり始めた頃には、解散し、一人でいつもの道を歩いて帰っていた。

その時、山の方から、「オーイ」という声がした。

小熊がこんな感じで鳴くと聞いたことがあるので、少し怖くなり、急ぎ足で帰った。

家に着いたら、違和感を感じた。

誰もいない。いつもなら母さんがいるのに。

買い物にでも行っているのかと思っていたが、夜の9時になっても一向に帰ってこない。

電話をかけてみても繋がらない。

捜索願を出そうと思った時に、ドアの開く音がした。

母さんが帰ってきたのだと思い、「おかえりー 遅かったね」と言ったが返事がない。

玄関まで見に行ったら、そこには見知らぬ女性がいた。

顔を見た瞬間血の気が引いた。

真っ青な顔には、目がなく、口は何かを叫んでいるような形だった。

そしてそいつは、私に向かって「オーイ」と言った。そこから先は記憶がない。

気がついたら、病院のベッドの上だった。

医師曰く、3日程意識がなかったらしい。

そして、母さんが、山奥で遺体として発見された。

 

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コメント(1)
  • 次はちょっと本気出します

    2025/10/09/22:14

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