これは私が高校生の頃の話です。
7月中旬、ジメジメとした空気と体にまとわりつくような暑さ。
田舎だったので、学校にはエアコンなんてなかった。
部活終わり、いつも通り自転車で下校していたら、ふと、誰かに見られているような気分になった。
自転車を止め、辺りを見回してみたが、誰もいない。
その日は特に気にせず、そのまま帰った。
その日の夜、夢を見た。林の中に廃屋が一つ。中から誰かが手招いていた。
顔はよく見えなかったが、女性だった気がする。
ただそれだけだ。しかし、あの人は誰だったのか。そんな考えが頭をよぎった。
次の日は休日だったので、友人と近所の川に釣りに行った。
しかし、魚の影がなく、釣りが得意な友人も、その日は1匹も釣れなかった。
あたりが暗くなり始めた頃には、解散し、一人でいつもの道を歩いて帰っていた。
その時、山の方から、「オーイ」という声がした。
小熊がこんな感じで鳴くと聞いたことがあるので、少し怖くなり、急ぎ足で帰った。
家に着いたら、違和感を感じた。
誰もいない。いつもなら母さんがいるのに。
買い物にでも行っているのかと思っていたが、夜の9時になっても一向に帰ってこない。
電話をかけてみても繋がらない。
捜索願を出そうと思った時に、ドアの開く音がした。
母さんが帰ってきたのだと思い、「おかえりー 遅かったね」と言ったが返事がない。
玄関まで見に行ったら、そこには見知らぬ女性がいた。
顔を見た瞬間血の気が引いた。
真っ青な顔には、目がなく、口は何かを叫んでいるような形だった。
そしてそいつは、私に向かって「オーイ」と言った。そこから先は記憶がない。
気がついたら、病院のベッドの上だった。
医師曰く、3日程意識がなかったらしい。
そして、母さんが、山奥で遺体として発見された。
























次はちょっと本気出します