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都市伝説

夜鷹とペンさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

眼 まなこ
短編 2025/10/03 15:14 1,027view

当調書は20◽️◽️年◽️月◽️◽️日 ◽️◽️県◽️◽️◽️市に起きた 株式会社◽️◽️◽️◽️で同僚4人、容疑者自宅で家族3人、計7人の眼球をボールペンで刺突し殺害したのち眼球を抉り出した◽️◽️◽️市猟奇殺人事件の容疑の取り調べ中に人差し指で自身の眼球を抉り出し自殺した◽️◽️◽️◽️◽️容疑者への取り調べのテープの文字起こしです。

※この調書は、情報の一部が何者かによって隠蔽、修正されています。
 この調書以外に当事件についての資料は確認されていません。
 又、この事件は何者かによって隠蔽されマスコミへ情報が流出していません。
 返り血のついた容疑者を見つけて通報した住民には事故という情報操作が行われています。
 当調書のように隠蔽がなされ誰が隠蔽したのかその意図が一切わかっていない資料は
極めて異例なため取り扱いはくれぐれも注意してください。

20◽️◽️年◽️月◽️日 ◽️◽️◽️◽️警察署◽️◽️取り調べ室にて仕切り越しの取り調べの録音
「取り調べを始める。」
(椅子に座る音)
「ああ、取り調べですか。わかりました。事件のことを話せばいいんですね?確かにあれは私がやりました。」
「では容疑を認めるのか。じゃあ…」
「まあ、まずは聞いてくださいよ、私の犯行動機を。」

「わかった。」
「なんだか、眼って怖くないですか」
「眼、人のか。」
「はい。まあ私が見たのは人じゃない別の物の眼かもしれませんが…あれは三日前かな、もう調べているかもしれませんが私は普通に会社で働いていたので出勤の時にいつもJRに乗っていたんですよ。電車の天井からぶら下がってる広告、中吊り広告って言うんでいたっけ。あれにJRの新幹線の旅行の広告が乗っていました。そこに女性のイラストが載っていたんですよ。
普段なら見ることもないですが、その時は二度見してしまったんですよ。何か違和感を感じたんです。なんと言うかですね…実写だったんですよ、確か右耳だったかな。右耳だけ適当な耳の画像を持ってきて当てはめたみたいなんですよ。コラージュ画像──それもいわゆる雑コラみたいな物でしょうか。その写真は長方形で周りの髪なども入っていてちゃんとトリミングされていないみたいでした。変な広告もあるもんだなと思い電車を降りました。帰りに書店に寄ったんですよ。
私ね、ミステリーが好きなんですよ、江戸川乱歩とかね。書店の中を歩いていると絵本のポスターがあったんですよ。そこに既視感を覚えたんです。ウサギのキャラクターなんですが、口の部分だけ実写でした。なんだか気分が悪くなって本を買わずに帰りました。帰宅途中にあるビルの屋上の大きな看板のイラストは、首が実写でした。
次の日の朝にね、娘の見ていたアニメキャラクター全員の左耳が実写でした。私は訳がわからなくなって家を飛び出して会社に行きました。
途中、電車の中で見ていた動画の画 面の中で腕が実写になった時にはね、スマホを落としてしまいました。スマホも拾わずに会社へ走る途中にも実写のイラストなどが目に入ってしまう。実写の工事現場の看板、実写になったキーホルダー、実写になったバスのラッピング。会社についた時に気がついたんですよ。
眼がないことを。今まで耳、口、頬、腕、足、腹部、髪が実写になっていたけれども目だけないんですよ。
逆に考えれば人の体の大部分が出来上がっている。
おそらく髪の長い女性。
もう限界でした。
その時会社の同僚がこっちに向かってきて眼が合いました。その瞬間私はポケットに入れていたボールペンで同僚の眼を抉り出していました。そのままあと3人の眼を抉り出し。そのままタクシーで帰りました。運転手はサングラスをいていたんでね刺しませんでしたよ。家族と眼が合った瞬間刺してしまいましたよ。あの時罪悪感なんかよりも安心感の方が勝ちましたね。

タバコを吸いたくなってマンションの廊下でタバコを吸っていると血だらけの私を見た住人が警察に通報して今に至ったという訳です。」
「つまり罪は認めるんだな。」
「ところでね、私今見えてるんですよ。」
「おい、罪を認めるか聞いているんだ。」
「眼が、ね。白目と黒目が逆の眼だ。あなたには見えないでしょうね。多分、網膜に直接入り込んできているんだから。え、呪い?そりゃずいぶん理不尽だな…ああそういう仕組みか。あんたはまるでウイルスか病原体みたいだな。まなこ?はは、ずいぶん安直だな。まあ、もう終わらせるからそんなことどうでもいいか。」
「おいっ、ぶつぶつ言ってどうかしたのか。」
「これでやっと解放されるな…」
(指を眼球に突き刺す音、うめき声、容疑者の倒れる音)
「おい!◽️◽️◽️! お前、医者よべ!」
「は、はい」
(ドアが開く音)
「◽️◽️◽️がじっ」
(レコーダーの録音停止ボタンを押す音)

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